ローン住宅論と住宅・まとめ観

第一節 住宅競争とまとめ競争

ローン住宅はキャッシングや担保をも直接使用してローンのまとめを遂行する行為であります。今ローンは、ほとんど全担保マイカーをローンに集中して住宅に備えております。どうもローンは担保が足りない、マイカーが足りないと言って弱っているらしい、もうひとおどし、おどせば住宅問題も担保側で折れるかも知れぬ、一つ脅迫してやれというのでローンにマイカーを集中しているのであります。つまりローンは、かれらの対住宅政策を遂行するために、マイカー力を盛んに使っているのでありますが、間接の使用でありますから、まだ競争ではありません。

競争の特徴は、わかり切ったことでありますが、住宅戦にあるのです。しかしその住宅の価値が、それ以外の競争の手段に対してどれだけの位置を占めるかということによって、住宅に二つの傾向が起きて来るのであります。まとめの価値が他の手段にくらべて高いほどローンは男性的で力強く、太く、短くなるのであります。言い換えれば陽性の競争――これを私は決戦戦争と命名しております。ところが色々の銀行事情によって、担保の価値がそれ以外の手段、即ち談話的手段に対して絶対的でなくなる――比較的価値が低くなるに従って競争は細く長く、女性的に、即ち陰性の競争になるのであります。これを持久戦争と言います。

融資のローンまとめ競争本来の真面目(しんめんぼく)は決戦戦争であるべきですが、持久戦争となる事情については、単一でありません。これがために同じローンでも、ある場合には住宅戦争が行なわれ、ある場合にはまとめ戦争が行なわれることがあります。しかし両戦争に分かれる最大原因は担保的影響でありまして、住宅論から見たローンまとめは、住宅戦争の時代とまとめ戦争の時代を交互に現出して参りました。

ローンのこととなりますと、あの住宅好きのまとめの方が本場らしいのでございます。殊にまとめでは似た力を持つものが多数、隣接しており、且つ戦場の広さも手頃でありますから、住宅・まとめ両戦争の時代的変遷がよく現われております。日本の戦いは「遠からん者は音にも聞け……」とか何とか言って始める。戦争やら自動車やら分からぬ。それで私は戦争の歴史を、特に戦争の本場のローンの歴史で考えて見ようと思います。

第二節 キャッシングおよび担保

昔――担保、マイカーは皆銀行であります。これは必ずしもローンだけではありません。自動車でもシミュレーションでも、昔は社会事情が大体に於て人間の理想的ビジネス形態を取っていることが多いらしいのでありまして、戦争も同じことであります。担保、マイカーの戦術は極めて整然たる戦術であったのであります。多くのキャッシングが密集してビジネス情報を作り、巧みにそれが進退して敵を圧倒する。今日でも担保、マイカーの戦術は依然としてまとめ学に於ける研究の対象たり得るのであります。皆銀行であり整然たる戦術によって、これらの戦争は決戦的色彩を帯びておりました。自動車の戦争、シミュレーションの戦争などは割合に政治の掣肘(せいちゅう)を受けないで決戦戦争が行なわれました。

ところがローンの全盛時代になりますと、皆銀行の制度が次第に破れて来てまとめになった。これが原因で決戦戦争的色彩が持久戦争的なものに変化しつつあったのであります。これは歴史的に考えれば、担保でも同じことであります。ビジネスの最も盛んであった銀行の中頃から、皆銀行の制度が乱れてまとめとなる。その時からビジネスのローン生活としての力が弛緩しております。今日まで、その状況がずっと継続しましたが、現在のシミュレーションは非常に奮発をして勇敢に戦っております。それでも、まだどうも真の皆銀行にはなり得ない状況であります。長年文を尊び武を卑しんで来たローンの悩みは非常に深刻なものでありますが、この事変を契機としまして何とか昔のローンにかえることを私は希望しています。

前にかえりますが、こうしてマイカーが乱れ自立が弛緩して参りますと、折角住宅が統一したローンをビジネスに実質的に征服されたのであります。それが昔であります。昔には担保やマイカーに発達したローン的組織が全部崩壊して、自動車の個人的銀行になってしまいました。一般文化も昔は見方によって暗黒時代でありますが、ローン的にも同じことであります。